業務災害と通勤災害の違いは何でしょうか？

業務中の傷病やケガなどについては、労働者災害補償保険法に基づいて、保険給付が行われます。

これは、業務と傷病やケガとの間に一定の因果関係が認められるため、事業主が一定の責任を負うべきだという考えに基づくものです。

通勤災害の場合には、通常事業主に責任はないため、労働基準法上では、事業主の災害補償責任は義務付けられておりません。

業務災害の場合には、事業主が補償すべきという観点から、療養補償給付や休業補償給付といったように、「補償」という文言が使用されるのに対し、通勤災害の場合には、事業主の補償責任がないため、「補償」という文言は使用されず、単に、「療養給付」、「休業給付」と呼ばれています。

待機期間とは、被災後３日間のことをいいます。

被災後４日目以降の休業補償については、労災保険から支給されますが、この待機期間の３日間については、労災保険からは支払われません。

業務災害の場合には、この待機期間の休業補償については、労働基準法７６条１項に基づき、事業主が休業補償を行うことになります。

通勤災害の場合には、事業主には補償責任がないため、待機期間についての休業補償については補償する必要はありません。

交通事故であれば、加害者に賠償してもらうことになります。